娘氏の入院生活が1ヶ月を超えた
抗がん剤治療も1クールを終え、今は小休止といった感じ
まだまだ先は長いけれど、小さな区切りが幾つか設けられているのは嬉しい
ほんの数ヶ月前
娘の移動手段は基本的に小走り
トイレに行くのも小走り
階段の上り下りもドタバタと小走り
一緒に歩いていても常に小走り
『ちょっと落ち着けよ、、、』と言いたくなるほど元気だった
元々華奢だった身体はこの1ヶ月で4キロ痩せ
こんがり日焼けしていた顔色も今やすっかり病気色
起き上がるだけでどっこいしょ
トイレやシャワーに行くだけで疲れてしまうような身体になってしまった
薬の副作用もあるのでしょうけど
明らかに体力が落ちているのが心配でたまらない
闘病は体力勝負
治療に耐え得る体力がなければ治る病気も治らない
点滴等の栄養補給は補助的なものに過ぎず
体力を補給するためには『食』が基本になる
しかし、この『食』が今娘には大きなハードルになってしまっている
元々偏食で好き嫌いが激しい娘
私も無理をしてまで嫌いなものを食べる必要はないと思っていた
学校の給食でも今は嫌いなものは残してもいいというシステムになっていたようで
『食』に対する意識が低過ぎたことがここに来て大きな障害になってしまっている
飲食の持ち込みが自由な場所ならまだ救いはあるのかもしれないけど
残念ながら無菌病棟は飲食の持ち込みは硬く禁じられているため
出されたものを食べなければ何も食べるものはない
栄養士さんが個人個人の希望を聞いて
なるべくみんなが食べてくれるように努力はしてくれているけど
希望を言って聞き入れてくれることは少ない
栄養士さんから見れば結局は大勢の中の一人なのでしょう
娘一人のワガママでメニューを変えてくれることは殆どない
だったら私が娘のために栄養バランスの取れた飲食を個人的に提供してあげたいけど
それも硬く禁じられているというジレンマ
結局はこの環境に適応するしかないわけで
適応が遅い子はあれよあれよと体力がなくなってしまう
娘氏曰く、食事の時間が憂鬱で仕方ないのだそうで
『食』がストレスになってしまっているのが怖い
本当なら私も『いいよ、いいよ、無理して食べなくていいよ』と言ってあげたいけど
そんな悠長なことも言っていられない状況
毎日毎食一口でも多く食べてもらうために
あの手この手で悪戦苦闘する毎日です
今私は『食』に対する教育がずさんだったことにものっっっすごく後悔している
もし『食』を克服できないことで娘の身に万が一のことがあったら悔やんでも悔やみきれない
私は私を生涯許すことはなくなってしまうでしょう
食べることは生きること、生きることは食べること
人間食べられなくなったらおしまい
『食』を甘く見ていた自分が恨めしくて仕方ない
もっと上手に食育できていれば
こんなに苦しい思いをさせなくて済んだのに
全力で病気と闘うことができたのに
娘に対して申し訳ないという気持ちでいっぱいで
ついに『ごめんね、こんな親で』と泣き崩れてしまった
娘が私の手を取り『大丈夫、頑張るから』と言ってくれた
子供に気を使わせてしまうのは本意じゃないけど
その言葉が身に沁みるほど嬉しかった
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